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拙作「てけれっつのぱ」が、新劇の老舗・劇団文化座によって舞台化され、東京六本木の俳優座劇場で上演されたのは、2008年10月のことだ。素晴らしい脚本家や演出家、舞台監督、そして才能あふれる俳優陣やスタッフのおかげで、11日間にわたる公演は連日大盛況であった。それだけでも原作者冥利に尽きるのに、舞台「てけれっつのぱ」は、その年の文化庁芸術祭賞・演劇部門の大賞を受賞する。そこまでいっては、望外の喜びというほかなかった。
しかし、落語の「死神」に出てくる呪文である「てけれっつのぱ」には、幸運の神もついてまわっているようで、今年2010年が日本とトルコの友好120周年にあたるのを記念して、トルコ国内3都市で上演される運びとなった。