私の中の三島由紀夫

三島事件とは何だったのか、死後50年を前にして改めて問う

三島由紀夫は日本に、若者たちに何を残し、
何を伝えたかったのか。
そして、最期の瞬間に何を思っていたのか、
三島の内面をするどく分析した問題の書。

1970年11月25日。運命のあの日、
私は楯の会会員とともに警察署の取調室の中にいた。
今さらのように思うのだが、
人生にはどうやら、グレーゾーンにしたまま、
突き詰めて考えないほうがいい部分もあるようだ。
本書を書き終えた今、私は満足感とともに
曰く言いがたい虚脱感を覚えている。
               ――あとがきより

1970年11月25日、楯の会を率い、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で森田必勝とともに自決した三島由紀夫。
当時はもちろん今もなお、三島を“神”と崇める人もいれば、“狂人”と嘲る人もいる。
しかし、日本を震撼させたあの“事件”もいまでは確実に風化しつつあるようだ。
散る花と散らぬ花とを一身に兼ね備えなければならない“文武両道”。
一方が実態であれば、他方は虚妄であらざるを得ないこの二つの世界を同時に生き抜いた一人の天才は、
死後およそ50年という時の流れの中で、かつての若き著者にどのような試練をもたらしたのか……。


山本光伸:著

発売月:2017年03月

定価:1650円(税込み)
46版、上製本
頁数:196ページ
ISBN:978-4-434-23098-1

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